国試の文字数は少なくなっている
国試問題の文字数が最も多かったのが第24回
約57,000文字
第30回国試の文字数
約36,000文字(昨年より3,000文字減)
問題の文字数が少ないことは,問題の引っ掛けポイントが少なくなることを意味します。
文字数の多い時は,引っ掛けポイントが2つも3つもある問題もありました。
その時代は,勉強しても得点できないということが発生しました。
そのため,ものすごく勉強したにもかかわらず不合格になり,その後国試受験をやめてしまったという方も多くいました。
勉強しても得点できない
それは国試としては健全なものではありません。
何度もメッセージを送ってきましたが,
今の国試は
努力は必ず報われる試験
となっています。
文字数が多くても,試験時間は同じです。
特に午前中は,最後まで解けなかった,という受験生が続出したのです。
第30回と最も文字数が多かった第24回では,20,000文字以上も違います。
とても過酷なことが想像できることでしょう。
知識が足りなければ得点できないのは,文字数が多くても少なくても同じです。
試験センターでは,受験者の得点分布,平均点等の試験データは発表しません。
しかし,おそらく得点できた人と得点できなかった人の点数の開きは今まで以上に広がっているのではないかと思います。
平均点は同じでも,分散はおそらく何倍にもなっているのではないかと想像しています。
さて,これらのことから考えられることは,基礎力をしっかりつける勉強の大切さです。
過去3年の過去問を3回やれば合格できるよ。
このようなアドバイスが本当に有効なら,4人のうち3人が不合格になるような結果にはなり得ません。
問題1で出題された「大泉門」が以前に出題されたのは
第22回のたった1回。
問題3で出題された「アルマ・アタ宣言」が以前に出題されたのは
第23回のたった1回。
過去に出題された範囲から8割程度が出題されますが,それは直近3年間ではなく,過去に実施された国試という意味です。
2年連続で出題される問題は,本当に少ないです。3年間の過去問をちょこちょっとやって合格できるほど,甘い試験ではありません。
1年かけて,しっかり基礎力をつけていきましょう。
努力は必ず報われます。
絶対に合格する,という強い気持ちをもって勉強を続けていきましょう。
もし,今年の国試を受験して,不合格になったとしても,コツコツ勉強していけば,必ず結果は良いものとなるでしょう。
内的帰属
成功・失敗の理由は,自分の内部に要因があると考える。
外的帰属
成功・失敗の理由は,自分の外部に要因があると考える。
内的帰属であれば,必ず成功の道筋は見つけられます。
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